- 2020.12.02
- SEOノウハウ
こんにちは、テクニカルSEO対策サービス「CLUSTER SEO」開発チームの江頭です。
SEO対策の手法には、技術的・数値的な視点から対策を実施するテクニカルSEOがあります。
この記事では、テクニカルSEOの施策の詳細や進め方について分かりやすく紹介します。
テクニカルSEOとは?
テクニカルSEOとは、検索エンジンがWebサイトを正しく読み取れることを目的とし、Webサイト側で実施するSEOのことです。
検索エンジンは、Webサイトをクローリングして得た情報を検索インデックスに登録した上で、ユーザーの検索リクエストに応じてランキングした結果を返します。テクニカルSEOによって、検索エンジンがサイトをクロールしやすく、またページが適切なインデックスへと登録されることで、検索順位の向上が期待できます。
テクニカルSEOとコンテンツSEOとの違い
テクニカルSEOと比較されやすいのが、コンテンツSEOです。
コンテンツSEOは、コンテンツの質を重視したSEOのことです。たとえば、「ユーザーの役に立つような有益な記事を書く」「専門性を高める」というように、コンテンツを読む「人」を中心に考えます。簡単に言ってしまうと、充実した記事を作って、GoogleのSEO評価を上げる作戦です。
一方、テクニカルSEOは、コンテンツを処理する「検索エンジン」を中心に考えます。簡単に言ってしまうと、サイトの内容を検索エンジンに明確に伝え、SEO評価を上げます。
やり方が違うので、「テクニカルSEOとコンテンツSEOのどちらが優れているか?」ということは言えません。ただ、「SEOの進めやすさ」という観点で言えば、テクニカルSEOの方が優秀です。
コンテンツSEOは、抽象的な基準で作業することが多く、「どれくらい優秀な記事になったか?」を数値で判断したり評価したりすることもできません。一方、テクニカルSEOでは、公開されている検索エンジンの仕様を基準にするので、具体的な作業に落とし込みやすく、実施した後も結果を評価することができます。
なお、テクニカルSEOとコンテンツSEOを合わせたものがSEO内部対策に当たります。
テクニカルSEOのメリット
作業を定型化しやすい
Googleはウェブマスター向けガイドラインを公開しています。クローラーがページを取得しやすくするための推奨事項や、最適なインデックスに登録させるためのヒントが書かれています。作業する範囲がある程度決まっているので、取り組みやすく、定型化もしやすくなります。
具体的なテクニカルSEOのメソッドは、この後で詳しく説明します。また、テクニカルSEOのチェックリストも別ページで公開しています。
効果が分かりやすい
検索エンジンは、Web管理者向けに便利なツールを公開しています。例えば「Googleサーチコンソール」「Bing Webマスター ツール」といった公式ツールを使えば、クローラーが巡回したページや検索インデックスの状況が分かります。「PageSpeed Insights」を使えば表示速度を採点してくれます。
テクニカルSEOのチェックに使えるツールは、この後で詳しく説明します。
テクニカルSEOのデメリット
システムの制約で実施できないことがある
テクニカルSEOを行おうとすると、Webサーバーの設定変更や、サイト全体に影響する変更、自動化処理などが必要になることがあります。そのため、利用しているサーバーやCMS(ECサイトASPなど)によっては、できないことがあるかもしれません。
コンテンツの分量はある程度必要になる
極端に情報量が少ないコンテンツは、Googleに伝える情報も少なくなります。検索インデックスに登録される情報も少なくなるので、結果的にSEOでは不利になります。
このようなときは、まず文章ボリュームを増やしたうえでテクニカルSEOを実践するとよいでしょう。
テクニカルSEOの施策の分類
テクニカルSEOの施策は、施策が作用する対象で分わけると、以下の2種類になります。
検索エンジンのクローラーに作用する項目は、主にクローラーのサイト巡回を効率化される施策です。検索結果に反映されるまでの時間が短くなったり、予期せぬ評価ダウンを回避できるといった効果が期待できます。
一方、検索インデックスに作用する項目は、検索エンジンに対し、ページに書かれた内容を伝えるための施策です。特定キーワードでの評価アップといった効果が期待できます。
クロール最適化につながるテクニカルSEO項目
robots.txt
特定URLだけクローラーの巡回をブロックできます。
クローラーの巡回によってサーバー負荷が増大しているときや、インデックス登録の優先度が非常に低いURLがあるときに効果的です。
- 関連記事:robots.txtの書き方
サイトマップ
検索エンジンにサイト内のページ一覧を通知します。
URL数が非常に多いときや、コンテンツの更新をなるだけ早く検索エンジンに通知したいときに効果的です。
- 関連記事:XMLサイトマップの作り方
- 関連記事:WordPressでサイトマップを作るには?
表示速度
ページの表示速度を改善すると、クローラーの巡回速度も向上します。
表示速度が遅いと、ページがモバイルフレンドリー対応していても、Googleはモバイルフレンドリーではないと判断してしまうことがあり、SEO上の悪影響が飛び火します。
- 関連記事:表示速度の改善方法
セキュア(HTTPS)
WebサイトのHTTPS対応は、Google検索におけるランキングを向上させます。
HTTPS非対応のサイトは、Chromeブラウザで警告が表示されるようになってきており、利用者がサイトを安心して利用できるようにするという意味でも必須です。
モバイルフレンドリー
スマホに対応し、サイトの使い勝手を改善します。フォントサイズやボタンの大きさなどの基準が明確に示されているので、基準をクリアするようにサイトのUIを改善しましょう。
クロール最適化につながるその他の項目は、テクニカルSEOのためのSEOチェックリスト57項目に掲載しています。また、Excel形式のチェックリストを公開しています。
インデックス最適化につながるテクニカルSEO項目
タイトル・ディスクリプション・見出しの設定
titleタグ・description・見出しタグは、文書の概要や構造を検索エンジンに伝える役目があり、インデックス最適化に大きく関係します。
- 関連記事:SEOを意識したタイトル(titleタグ)の付け方
- 関連記事:SEOに効果的なディスクリプションの付け方
- 関連記事:h1タグの書き方
内部リンク
リンクを設置すると、ページとページとの関係性を検索エンジンに伝えることができます。関連性の高いページへリンクを張ったり、アンカーテキストを調整すると、検索インデックスの最適化につながります。
- 関連記事:SEOを意識した内部リンクの作り方
URLの正規化
複数のURLが類似した内容のページのとき、検索エンジンはそのうちの1つのURLを代表URLとして選び、代表ページのみをインデックス登録します。Googleは、同じページか別のページかを自動的に判定していますが、うまく機能しないと、特定のページがインデックスから除外されることになります。canonicalタグを設置してURLを正規化すると、代表URLが正しく判別されるようになります。
構造化データ
構造化データと呼ばれる書式を使うと、パンくずリストやイベント情報といったデータ構造を検索エンジンに伝えることができます。検索エンジンに詳しい情報を伝えることにつながります。
- 関連記事:パンくずリストの構造化データの書き方
- 関連記事:イベントの構造化データの書き方
- 関連記事:FAQの構造化データの書き方
- 関連記事:Googleしごと検索の構造化データの書き方
インデックス最適化につながるその他の項目は、テクニカルSEOのためのSEOチェックリスト57項目に掲載しています。Excel形式のチェックリストもダウンロードできます。
テクニカルSEOの進め方
クロール最適化から実施する
テクニカルSEOは、まずクロール最適化から実施しましょう。検索エンジンのクロールに問題があれば、検索インデックスに登録されないなど大きな問題を引き起こす可能性があります。インデックス最適化は、クロールが正常に行われてから実行するようにします。
検索インデックスを確認しながら実施する
次のインデックス最適化フェーズでは、Googleサーチコンソールを使い、どのようなキーワードで評価されているかを検索順位から確認していきます。インデックス最適化を実施したら、検索インデックスを確認し、次のインデックス最適化を実施する・・・というサイクルを繰り返します。
- 関連記事:SEOチェックリストのダウンロード
テクニカルSEOチェックツール
SEOは対策してもすぐに効果が出ることが少ないので、継続して行っていくことが大切です。特に、検索インデックスの最適化には数か月単位で時間がかかるので、作業を効率化するツールを使うとよいでしょう。
テクニカルSEOツール「アナトミー」には、検索インデックスを過去と現在とで比較する過去インデックス分析機能があるので、先ほど説明したインデックス最適化のサイクルが行いやすくなっています。

このほか、歴代のタイトルやディスクリプション・見出しなどを自動で保存する機能があるので、忘れてしまいがちな変更箇所とインデックスとの関係を後からでも把握することができます。
まとめ
以上、テクニカルSEOの概要と具体的な施策、そしてその進め方を紹介しました。
本記事でも触れたとおり、インデックス最適化サイクルは長期間にわたるため、テクニカルSEOで成果を上げるには継続的な取り組みが必要になります。そして、検索インデックスの状態に応じて、実際にどのような施策を行うかについては、ある程度の経験値がないと的確な判断は難しいでしょう。
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